ハイレゾ音源の必要性
現在勉強中で、考えが至らない点も多いと思いますが、・・・現時点で理解したことをメモしておきましょう。
人間が鼓膜の振動を音として感じることができるのは、大体20Hz〜20kHzで、この周波数帯域は可聴域と呼ばれています。さらに、老化により可聴域が狭くなります。ただし、十代の子供の場合、数十kHzまで聞こえる場合が多く、20歳以降で、いわゆる可聴域に入るようです。
ハイレゾ音源であっても、実際に20kHz以上の音が含まれているものはあまりないようです。マイクなど録音機材の性能がその一つの要因かも知れません。
オーディオCDはサンプリング周波数44.1kHzを採用しています。標本化定理により、理論上その半分の22.05kHzまでを完全に再現できます(もちろん、この場合、それ以上の周波数は完全にカットする必要があります)。それで、オーディオCDはいわゆる可聴域を考慮して採用された規格ということができます。
人間は音を単に耳だけで認識しているわけではないようです。視覚や知識、記憶なども関係しています。ハイレゾ音源を評価する際にも音の認識の仕方を考慮に入れる必要があるでしょう。⇒ 人間の音の認識能力
ハイレゾ音源とその再生法
ハイレゾ音源は、wavファイルやFlacファイルの形で提供されています。それで、そうしたファイルを扱えるPCで再生が可能となります。
再生に必要なものは、下記のものになります。
1)PCなど
2)wavファイルやFlacファイルを再生できるソフト(Media Playerなど)
3)PCに接続するDAC。USB DAC やオーディオボード(ONKYO SE-90PCI
など)。
4)解像度の高いアンプとスピーカー
我が家のシステムでは、すでにONKYO SE-150PCIを使っていますので、24bit/96kHzまでのハイレゾ音源を再生できそうです。

ASA-36A TA2020
BZERO TA2020
CONKYO EQ-211M
ハイレゾ音源をテストするために、ONKYO A-911MLTDに代えて、ONKYO A-933(S)
ハイレゾ音源のテストは、ハイレゾ音源→Media Player→SE-150PCI→A-933のmain-in→DENON SC-E535の接続で行います。はじめに、コントロールパネルのシステム音量の調整で、Media Playerなどの音量を適切に設定しておくことが必要ですね。
これまでプリアンプ(インプットセレクター)として使っていたA-911と比べて、A-933は確かにクリアーで低域も力強いのです。
また、A-933はもちろん高解像度ですが、トライパス TA2020はA-933にかなり接近しています。さらに、電源部分を改造したCDプレーヤーもかなり健闘しており、A-933に変えても十分に対応できているのは嬉しいですね。
ハイレゾ音源のサンプル視聴
まずは、無料のサンプルを視聴してみましょう。SONYの「お試し用ハイレゾ音源」をダウンロードしてみました。wavファイルをダウンロードして、比較するために16bit/44.1kHzにリサンプリングしたものも作ります。ついでに、pm3ファイルも作りました。リサンプリングに用いたソフトはxrecorde 2です。
さて、聴いてみましょう。SONYのサイトは親切にも、きれいに聴こえる箇所を何箇所かマーキングしてくれています。・・・結果ですか?どうも、当方の耳では(また、システムでは)、聞き分けられないようです。マーキングの箇所を何度も聴いてみているのですが。もっとも、当方の耳ではmp3の音もあまり違わないようなのですが。
(1)電源部分を改造したDP-7060がかなりいい音を出しているということ
(2)同時に、CDプレーヤーの再生技術は限界に近づいているということ
(3)オーディオCDで十分いける、言い換えれば、音源の可聴域での質がよければ十分いけるということ
とはいうものの、最近のデジタル技術の進歩は早いので、最新のCDプレーヤーも聴いてみたくなりました。DENON DCD-755RESP
また、このテストのとき、いくつかの異なるスピーカーを使ってみました。当然のことですが、スピーカーによる音の違いは大きいですね。(最新のスピーカーを使うとハイレゾ音源の効果が分かるという人もいます。)

@DENON DCD-755RESP AKENWOOD DP-7060 BONKYO EQ-211M
CONKYO A-933 DSA-36A TA2020 EZERO TA2020
DCD-755RESPを購入した目的は3つあります。
(1)デジタル技術の進歩を見てみたかった。
(2)USBメモリーからの再生。
(3)音量調整付きのヘッドフォン端子。
さっそく、KENWOOD DP-7060(DAC7)と比較。予想としては、DP-7060は電源を改造しており、ONKYO SE-150PCIに匹敵する音質ですから、あまり変わらないと思っていましたが、・・・・。残念がら、予想通りです。やはり、音の違いは今のところ分からないというのが真実です。技術の限界に近づいているようですね。
USBメモリーの再生では、ファイル単位の再生やランダム再生ができます。これで、中華のMP3プレーヤーも要らなくなりました。
音量調整付きのヘッドフォン端子は高音質で活用できそうです。
それで、(1)〜(3)で購入の目的は達成できました。2万円で購入できるのですから、もう中古のCDプレーヤーを探さなくてもよくなりましたね。(ただ、操作性は、KENWOOD DP-7060の方が良いようです。)
※32GのUSBメモリー
ディスプレイの解像度との比較?
ディスプレイは、白黒から、ついでカラー、そして、徐々にその解像度を増してきました。最近、高解像度を実現するようになったばかりですが、それでも人間の目の解像度の限界を超えてはいないでしょう。
一方、音のサンプリングは、オーディオCDから始まりました。その規格は人間の耳の限界を考慮して決められたものなのです。そのとき、22kHz以上の音を捨てたのです。さらに、mp3の不可逆圧縮の場合も、人間の耳には聞こえない無駄な音を削り落としたのです。
それが今になって、捨てた音が必要だったというのが、ハイレゾ音源なのです。
それで、ハイレゾ音源が必要だという場合、単に解像度が高いというだけでは説明にならないということが分かるでしょう。捨てた音が必要だという理論的な説明が必要なのです。
ハイレゾ音源が必要な本当の理由
オーディオCD(16bit/44.1kHz)で可聴域をカバーしており、20歳以上なら十分な解像度のはずです。しかし、そうではないという考えがあるのです。
1)実際に、聞き分けられるという人がいる。
2)オーディオCDをアップサンプリングして、高域を補完すると音が変わる。
このとき、補完の仕方で音がよくなる。
3)DACの変換方式(これにも高域の補完の仕方が含まれる)で音が変わる。
考えて見れば、標本化定理により、理論上22.05kHzまでは完全に再現できるので(記録・再生可能な周波数の上限値)、高域の補完は不要なはずではないでしょうか。ただ、この場合、LPF(ローパスフィルター)で高域成分を除去することが必要になります。
ここには技術的な問題も関係してくるでしょう。22.05kHz以上をきっちりカットできる理想的なローパスフィルターは難しいに違いありません。これは、CDに記録する際にも、再生する際にも関係しています。それで、現実には、録音及び再生は約20kHzまでということになります。実際、CDプレーヤーの周波数特性は普通20kHzまでになっていますね。20kHzがオーディオCD規格の目標になっているようですね。⇒ CD-DA
確かに、アップサンプリングすれば低精度のLPFで済ませることができるかも知れません。しかし、このアップサンプリングで音質が低下する場合があるので(回路を通す以上、低下することはあっても向上することはあり得ない)、この問題の解決法の1つがハイレゾ音源でしょう。しかし、これは安易な解決方法といえないでしょうか。理想は、22kHz近くまで正確に再生できるCDプレーヤーを開発することに違いありません。しかし、それは難しいのでしょうね。⇒ サンプリング周波数
さらに、録音の問題もあります。通常、24bit/48kHz、24bit/96kHzなどで録音されるということです。それを16bit/44.1kHzに変換するのはどうなのでしょうか。24bit/88.2kHzで録音する場合があるのはもっともなことだと思います。
それで、オーディオCDで理論上22.05kHzまで記録・再生できるといっても技術的な問題がいろいろありそうですね。とはいうものの、ハイレゾ音源が必要だという主張で技術的な問題に焦点が当てられていることはあまりありません。
では、20kHz(可聴域)以上の高域が音の認識に影響するという根拠は本当のところ何なのでしょうか。考えられる理由をいくつか挙げてみましょう。
1)20kHz以上の音を聞き取れる耳を持っている人にのみ必要。
実際に、十代の若者の場合数十kHzまで聴こえることが知られています。
2)20kHz以上の音が音の認識になんらかの仕方で関係しており、多くの人に必要。
確かに、その可能性を否定することはできませんが。その説明の一つが「ハイパーソニック効果」ですね。これは耳だけではなく全身で音を聞くという学説で、耳の可聴域には変更はありません。
3)20kHzまでの音を正確に記録・再生するために技術的に必要(もちろん、理論的には必要ではない)。
ハイレゾ音源であれば、20kHzまでの再生はかなり楽になることでしょう。
4)その他。
実のところ、真相はどうなのでしょうか。ここでメモしたことは憶測の域を出ませんが、ハイレゾ音源が「実際に良く聴こえる」と言うだけでなく、その科学的な根拠が分かれば、今後の方向性も見えてくるのですが。
曲 > 演奏 > 録音
オーディオのテストのときは別としても、普通は、まず、自分の好きな聴きたい曲を選びます。ついで、演奏が大事です。名演奏を聴きたいですね。そして、それが優れた技術で録音されているなら幸いです。そして、まず、可聴域での録音の質が高いことが大切なことは言うまでもないでしょう。つまり、それが高音質なCDということになります。
高音質なCDにはVictorのXRCDなどさまざまなものがあります。アマゾンで『XRCD
試しに、「カヴァティーナ /村治佳織[XRCD]
これらのCDをPCに取り込んでデータのサイズを比較してみました。無損失のWAVファイルで取り込んでみた結果です。
普通版のカヴァティーナ1曲のサイズ:44,483,632 バイト
XRCD版のカヴァティーナ1曲のサイズ:44,481,280 バイト
この場合は予想に反してXRCD版の方がサイズが小さくなっていました。曲によっては、同じであったり、増えている場合もあります。サイズは関係ないということでしょうか。ただ、CDの材質ではなく、データが変わっていることは確かです。
・・・ここでの結論は、特に高音質CDと呼ばれていなくても、良い音源からの録音であるなら高音質である可能性は十分にあるということです。実際、普通版のCDでも良い音質のものはたくさんあります。その1つは良く取り上げられるCD「アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション
我が家のシステムと自分の耳に当てはまる暫定的な結論(あくまでも可聴域にこだわったもの)を図式化してメモしておきましょう。

※オリジナル音源の可聴域の音はオーディオCDに収まるはず。
※オーディオCDの質はほとんどがオリジナル音源の質で決まる。
※我が家の音質を決定する要因は?
音源 > スピーカー > 自分の耳 >= オーディオシステム